避けられなかったのか-事故の経験

自分は悪くないのに事故に遭ってしまった知人の体験談です。

車を運転するということは、常に事故に遭う危険と隣り合わせにいることを意識しなければなりません。
たとえ自分が十分な注意を払って運転していても事故はやってきます。
自分が加害者になっても被害者になっても双方に得することは何もないのです。

tuitotu

それは、ある年の4月上旬のことでした。良く晴れた日曜日の午前中のことでした。
2歳と6歳の男の子を持つ父親の私は、忙しい勤務の間のつかの間の休日に、二人の子供を車に乗せ、それほど明確な目的もなく日曜大工の材料でも探そうと、少し離れたホームセンターに向かっていました。

車は購入して半年を過ぎたばかり。走行距離は7,000km を超えたばかりの新車でした。
目的のホームセンターは、東京の郊外にある静かな町の国道沿いにあります。
国道に出るまでは住宅街を抜け、工業団地を抜け、あまり一般の車両が頻繁に行きすることの少ない道路を通り、国道に突き当たるまであと一つという信号のある交差点を通りかかったときでした。

突然、耳の後ろで「キキー!」と急ブレーキで車がスリップする音が聞こえました。
なにが起こったのか?そのときはよくわかりません。
自分は法定速度で、むしろ、休日気分でのんびりと車を走らせて交差点を通過しようとしているのに。

それとも、自分が何か危険行為をして、他の車に急ブレーキを踏ませるようことになってしまったのか?
信号を見ました。対面する信号の色は確かに「緑」です。まだわけがわかりません。
自分には何も落ち度はないはずなのに・・・
その直後、「ガシャーン」と衝撃を感じ、車が飛ばされました。
これが事故というものなのか。 と思いました。

気が付くと、乗っていた6歳の子も、チャイルドシートに座らせておいた2歳の子もシートの下に投げ出されて泣いています。
とりあえず車の外に出ようとしましたが、ドアが開きません。
事故の衝撃で車のボディが変形しドアが開かなくなっていたのです。
窓は閉まったままでした。事故に遭った直後、無意識にエンジンを切ったようです。

落ち着いてキーをONにするとパワーウィンドウを下げることができ、いつの間にか集まった野次馬の方々に助けられて車の外に出ることができました。
子供たちも同じく、親切な人たちの手で車外に救出されたのです。
それにしても、いったいどこから集まるのか、あっという間に集まった野次馬の数にはびっくりです。

車の外に出て改めて、何が起こったのか確認することになります。
車の左後部ドア付近が信号機のコンクリート柱に激突して、コンクリート柱をなぎ倒しています。
車の後輪は半分がタイヤハウスからはみ出して曲がっています。
交差点の少し先の林に3,000cc級の大型車が突っ込んでいます。
どうやら、この車が右方向から(信号無視で)交差点を通過しようとして、信号を守って走行していた私の車に体当たりし、信号柱まで突き飛ばし、勢い余ってその先の林に突っ込んだようなのです。

すでにそのとき、2台の車の周りには野次馬の人だかりでしたので、誰がその大型車を運転していたのか、咄嗟にはわかりません。
私も少々腹を立てていましたから、「誰がぶつけたんだ!」と声を荒げてしまいました。
すると、一人の若者が「すみません」と名乗り出たのです。
加害者が素直に先に謝ってくれたのは幸いです。後から「信号の色」でもめたりするのは厄介ですから。

そのうち、誰かが呼んでくれた救急車とパトカーが到着するのですが、私の車から漏れていたウォッシャー液か何かを「ガソリンが漏れている」と通報したらしく、消防車が2台も到着するという騒ぎになってしまったのです。

初めて乗った救急車で運ばれた病院で精密検査をした結果、子供たちも含め、特に体の異常はなく、事故の規模の割には、けがをしなかったのは奇跡的とも言われました。

さて、その車の状態ですが、コンクリートの信号柱をなぎ倒した車の後ろ半分は大破しており、即座に修理不能=全損と判定されました。

ちなみに警察による検証では相手の100%の過失で、私には非がないという判定でしたが、保険会社の話し合いでは過失割合は70%対30% ということになり、そんなもんだということでなんとなく納得させられてしまいました。
ただ、事故後のレッカー移動や、器物破損などの賠償はすべて相手方の負担で処理されたようです。

また事故車の話に戻りますと、後日ディーラーの営業の担当と車が運ばれたスクラップ屋に出向き、積んであった荷物を回収すると同時に、鉄屑代として4万円をいただきました。
新車で買った車が、半年で4万円になってしまったのです。

自分が気を付けていても事故に遭います。
近い将来に実現されるであろう自動運転の技術に期待するしかないのでしょうか。

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